1.葬儀社の決定
葬儀の規模や日程について決まったら、葬儀社を選んで葬儀の依頼を行います。葬儀社は死亡届の手続から喪服の準備、式の進行管理まで葬儀に関するあらゆることを引き受けてくれます。また、宗教・宗派に関係なく、遺族の希望に沿った形の葬儀を行ってくれます。
葬儀社選びのポイント
□会社や店舗を構えている。
□自分の希望する内容の葬儀を行ってくれる。
□家族葬や自由葬・直葬などの経験が豊富である。
□質問や疑問点に丁寧に答えてくれる。
□料金体系が明瞭で見積書に詳細を出してくれる。
□同じ葬祭ディレクターが相談から葬儀の施行まで担当してくれる。
□ゆっくりお別れできる斎場がある。
葬祭専門業者
葬儀を専門に扱う葬祭業者。地元密着型の小さな業者から、全国規模で展開する業者までさまざまです。地元業者は地域の慣習に詳しいです。故人の個性を尊重してくれる業者もあります。大手業者は相談窓口があります。
自治体の葬儀サービス
自治体の中には、低価格の葬儀サービスを提供しているところがあります。住所地の市区町村役場に葬儀サービスがあるか確認してください。
互助会
互助会とは、毎月一定の金額を払い込むことによって、冠婚葬祭費用を事前に積み立てて準備するシステムです。サービス内容は各互助会によって異なりますので、事前確認が必要です。
生活協同組合
生活協同組合では、組合員を対象とした葬儀サービス事業を行っているところもあります。明瞭でわかりやすい料金体系が特徴です。
JA(農協)
全国のJAでは、葬祭サービスを行っています。自社請負型、業務委託型、紹介型とサービス内容が異なりますので、事前に確認してみましょう。また、組合員のみを対象としているところと、組合員以外も利用できるところもあります。
他業種
石材販売業者、仏壇販売業者、生花業者、鉄道業者、百貨店業者等が葬祭事業を行っています。
家族のいずれかが亡くなり葬儀社へ依頼するまでの時間はあまりありませんので、できれば生前に葬儀社の目途をつけておけば安心です。良心的で信頼できる葬儀社を選びましょう。
※神奈川県葬儀社紹介サポートサービスを参照ください。
2.葬儀社との打ち合わせ
依頼する葬儀社が決まりましたら、必ず直接会って打ち合わせをしましょう。打ち合わせで、葬儀の日程、宗教・宗派、式場、予算について希望を述べ、葬儀社に料金表を見せてもらいましょう。
ほとんどの葬儀社は、セット料金を設定しているので、セットのランクに応じてサービス内容が決まっています。したがって、予算とサービス内容を検討して、セットのランクを決定し、セットに含まれていない必要なサービスを追加するのもよいでしょう。
打ち合わせがすみましたら、必ず、料金の予定見積書を発行してもらいましょう。見積り以上の高い金額を請求してくる業者もいますので、項目別に料金を提示してもらうことをお勧めいたします。不明なものは必ず葬儀社に確認しましょう。
3.葬儀にかかる費用
葬儀社で設定されているセット料金に含まれるのは、一般に祭壇とその飾り付け一式、線香、ろうそく類、式場設営のための用具、受付設備、火葬料、収骨容器、霊柩車、式の進行管理費などです。料金は棺の材質や祭壇の種類、装飾品の内容などによってランクが分かれています。
セット以外のサービスとして、喪服の貸し出し、遺体保存用のドライアイス、生花などの手配、遺影の引き伸ばし、死亡通知状や会葬礼状の印刷などです。本当に必要な物だけ選択しましょう。
ちなみに葬儀にかかる費用の平均額は、葬儀一式費用で113万円、通夜からの飲食接待費は36万円、寺院の費用(お経・戒名)は37万円、葬儀費用合計で186万円となっております。(2020年7月現在)
4.自分の葬儀を考える
葬儀に対する不満の声が多くなっています。「費用が高い」、「時間に追われて人の接待ばかりしていた」、「昔からの決まりに振り回されているだけだった」など、葬儀が社会的なイベントになっているのに疑問を持つ人が多くいらっしゃいます。
高齢化や核家族化が進み、高齢者だけの世帯や一人暮らしの高齢者(おひとりさま)も増えてきている現在では、自分の葬式のことで残る子供たちに迷惑をかけたくないという考えから葬儀をしなくてもいい、または身内だけでやってほしいと考える人も増えています。
また、葬儀は本来、個人的なものであるから、自由な発想で自分らしく幕を引きたいと考え、自分らしい葬儀を行う方も増えてきております。確実に自分らしい葬儀を実行してもらうには生前契約を利用するとよろしいかと思います。
※生前における葬儀の準備の方法
エンディングノート | |
公正証書遺言 | |
生前契約 | |
生前予約 |
5.自分らしい葬儀
無宗教葬(自由葬)
無宗教とは、特定の宗派によらない方式です。自由な方式で葬儀を行いたいという人に適しています。自由なため特定の方式がありませんので、内容を事前に指定しておく必要があります。
家族葬(密葬)
一般の人に告知しないで、家族・親族だけで葬儀を行う方式です。つまり、告別式を行わないという形式です。死亡直後の遺族の負担を減らせることから、家族葬(密葬)を支持されている方が増えています。
家族葬は、「義理や付き合いを避けての少人数の葬儀」「費用負担を抑えた経済的な葬儀」で、消費者からも求められている葬儀といえます。
密葬は、一般会葬者に告知をしない葬儀です。つまり、お葬式を通知する範囲を家族や、ごく親しい友人・縁者等、告知する範囲を決めたお葬式です。
ただし、どうしても別れを告げたいという人がお線香をあげさせてくださいと、自宅を訪問する人が数ヶ月続くとその対応に追われることもあります。生前に手紙などで、葬儀に対する自分の考えを伝えるあいさつ文を用意するのもよろしいかと思います。
また、家族葬を行った後、故人の友人・知人などが主催して「お別れ会」や「偲ぶ会」を開催するケースも増えています。ホテルを会場にして行われるのが「ホテル葬」、レストランで行われるのが「レストラン葬」です。四十九日の法要を目安に行われます。
直葬(ちょくそう)
葬儀をしない、火葬のみの葬儀です。葬儀をしない場合も、亡くなった場所からの搬送、納棺、安置、死亡診断書の提出と火葬許可証・埋葬許可証の取得、火葬が必要です。この場合、身内だけで火葬に臨みますが、火葬時に僧侶にお経をあげてもらうこともできます。
一日葬
「一日葬」とはお通夜を省略して、一般的にお通夜・告別式と2日間にわたって行われる葬儀・告別式を、1日で執り行う葬儀のことです。
身内だけの葬儀の場合など、通夜にほとんど弔問客が来ないことが想定される場合や火葬(直葬)のみでは寂しいので、質素でもいいから、せめてお別れの時間は持ちたいという方にもおすすめです。
生前葬
生きているうちにお世話になった人たちにあってお礼を言っておきたいという考えから生まれてきたのが生前葬です。少数派ですが、パーティー形式で行われることが多いです。
音楽葬
故人の好きだった曲を流して行う葬儀です。明るくお別れしたいという故人の希望を叶えた葬儀です。遺族が演奏するケースや会葬者全員で歌うケースもあります。
ワイン葬
ワインの好きな故人向けの葬儀です。お供えにワインを注ぎます。ワインで献杯して、見送ります。返礼品もワインにします。
リビング葬
自宅風の葬儀です。遺体を安置するリビングや食事ができるダイニング、台所、和室などを備えています。親しい親族だけで催す小規模の葬儀が増えており、遺体を自宅に運べない人でもくつろいで葬儀ができます。